FC2ブログ
 

スポンサーサイト

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
  • Edit
  • TB(-)|
  • CO(-) 
 
 

『Oh!-カウントダウン-#2』

『Oh!-カウントダウン-#2』

Oh!MyBrother-カウントダウン-
【#2】




 双士郎は夢の中で、どうしてだろう、
 真っ暗な狭い箱の中に閉じ込められている。
 立ち尽くしているとゆらゆら視界が揺れて、
 おかしいなと首をひねった瞬間、足下でどんっと地響きがし、
 この世のものとは思えない爆音が脳天から全身を貫いた。

 堪らず耳をふさぐが何ら意味をなさない。
 茫然自失の双士郎に突如白い光が迫ってきて、
 その中心に一つ人影が浮かぶ。
 押しつぶされそうな恐怖の中、ただそれだけを見つめた。
 何かを求めて、それだけを見ている……

 ハッ、と飛び起きたら、とっくに陽は昇り切り、
 約束の時間まで三十分をきっていた。
 うわああしまった! と声に出して叫んで、
 うなされた夢を反芻する暇もなく、床に放っていた服に着替える。
 そこまでを一分以内でこなし、
 階段を駆け降りてリビングに飛び込むと、
 予想に反してそこはもぬけの殻だった。

 『スーパーのタイムセールに行ってきます。朝ごはんここに置いておくので温めて食べてね 母より』

 と、心なしか文字の踊った母の置手紙をテーブルの上で見つけた。
 電力不足の昨今、一部のスーパーは比較的涼しい早朝に客足を、
 という戦略から朝のタイムセールが流行っており、
 母もたびたびこうして出かけて行くのだ。

 それは何ら問題ない。
 問題ない、が。

 双士郎はしばらく無言で置手紙以外何もないテーブルを凝視した。
 あるはずの朝食がないのだ。
 細やかさは折り紙つきのあの母に限って
 こんな天然ボケのようなミスを犯す事は考えられず、
 とすれば一体何がどうなってこうなってるの?
 という得体の知れない不気味さを覚え身震いをした。

 疑問符ばかりが脳内を飛び交ったが、
 この事に対してこれ以上の時間を割いていられないと気付き、
 冷蔵庫から牛乳を取り出しグラスに注いだ。
 棚にしまってあったお菓子を一つ抓んで口に放り込み、
 牛乳で流し込む。

 洗面など一通り済ませて時計を見ると、約束の時間まであと十五分。
 自転車でならなんとか間に合いそうだ。
 迷わずカバンを引っ掴んで 「行ってきます!」 と勢いよく玄関の扉を開けた。

「きゃああっ!」
「――――――――」

 再びフリーズし、開けた扉を開けた時よりも勢いよく閉じる。
 何か今、非現実的なことが起きていたような気がするが、
 そういえば寝起きである。
 思考回路はすこぶる鈍い。
 口をついて出てきた言葉は 「なにあれ」 だった。

 家の前に人だかり。
 ざっと見た感じ十人はいただろうか?
 ほとんどが若い女性で、男性の姿も見えた。

 嫌な予感がして玄関を振り返り、靴を確認する。
 変化は認められない。
 ますます訳が分からなくなったところで双士郎は目を閉じ、深呼吸した。

「よし!」

 もう何も見なかったことにして、一気に外へ出てしまおう!
 えーいっと改めて玄関の扉を開けて、
 ダッシュで自転車の置いてあるガレージまで行く。
 そこでまた、フリーズしてしまった。
 あるはずの、というかないわけがない双士郎の自転車が、ない。



→ #3
→ #1
関連記事
スポンサーサイト
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。