FC2ブログ
 

スポンサーサイト

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
  • Edit
  • TB(-)|
  • CO(-) 
 
 

『Oh!-カウントダウン-#3』

『Oh!-カウントダウン-#3』

Oh!MyBrother-カウントダウン-
【#3】




 我が家に自転車は一台のみで、何度も言うがあの母が、
 双士郎の自転車を無断で使用することは考えられず、
 父にしても普段乗るのはもっぱら車なのだ。

 とすると、可能性は一つ。

 盗難。

 ざわざわひそひそ。

 ずっと背後で色めき立っているちょっとした群衆のことも、
 もはや頭になくなっていた。
 自転車がない。
 その事実から導き出される答えはただ一つ。

「遅刻だっ!」

 双士郎はきれいに体を反転させると、門を出て人をかき分け、
 一目散に目的地を目指し駆け出した。
 運動は苦手な双士郎だったが火事場の○○ピーぢからとはよく言ったもので、
 とりあえず駅のある繁華街まではノンストップで走り続けた。
 そこからはさすがに人通りが多く、歩くしかない。

 駅から歩き始めて約十五分、
 空腹も相まって心身ともに疲れ果ててしまっていた。
 こんな自分の境遇を、ツイてないと言わずして何なのか。
 広瀬にすべてを話して意見をもらいたいくらいだ。
 そうすれば遅刻行為も許してくれるかもしれない、
 などと悪魔の自分が囁いたので、
 それはふるふると頭を振って霧散させる。

 そうこうしている内に目的地までもうすぐの距離にやって来た。
 この先の角を曲がれば、
 そこに腕組みでもして立っている広瀬の姿があるはずだ。

(とにかく素直に謝ろう)

 心の準備をして歩く速度を速めようと前傾姿勢になった、その時に、
 双士郎の視界に見慣れた人物の姿が映る。

(あれ? 入江くんだ)

 クラスメイトで副委員長の、入江ハルフミ。
 足を止め、向かい側の通りを足早に歩く姿を追う。
 すると、通い慣れているのか入江は躊躇いもせず、
 双士郎が入ったことのない、
 印象的には薄暗くて不良がわんさかたむろしていそうな路地へと、
 入って行くではないか。

「おいっ双士郎! 遅刻だぞ!」

 しびれを切らし、
 角まで確認しにきた広瀬が双士郎を見つけ歩み寄って来る。

「何してるんだよこんなとこで、ぼーっとして?
 僕がいったいいつからこの殺人級の直射日光を浴びつつ
 お前が来るのを今か今かと涙ぐましく一途に待ちぼうけくってたと思ってるんだ?」

 双士郎は広瀬にちらと目配せし、

「ごめん遅れて。朝からいろいろあって……
 まぁいいや。
 それよりあそこ、見て。入江くんがいるんだ」

 謝罪もそこそこに話題を逸らされては広瀬も面白くなかったが、
 入江、と聞いて怒りよりも好奇心の方が勝る。
 双士郎の指さす方を眺め、ほんとだ、と呟いた。
 路地は二本向こうの通りまでを貫く長い長い細道。

「ミキオ、あの路地通ったことある?」

 視線は入江の後姿を映したまま、双士郎が訊く。

「お前は?」

 二人はしばし顔を見合わせた。



→ #4
→ #2
関連記事
スポンサーサイト
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。