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『Oh!-カウントダウン-#5』

『Oh!-カウントダウン-#5』

Oh!MyBrother-カウントダウン-
【#5】




 大人がお酒を飲む店。
 それはいつ吹き込まれた情報なのか忘れたが、
 クネクネしたおねーさんがいっぱいいて一緒にお酒を飲むのだそうだ。
 それが何なのか、どういうことなのかまでは理解できなくても、
 イケナイコトだと本能が訴える。
 入江はイケナイコトに手を染めてしまっているのだ。

 このことが見つかったら……
 警察に逮捕されて学校に行けなくなって、
 刑務所に入れられて裁判をして、
 結果次第では死刑(!)になってしまうかもしれない。

 赤くなっていた双士郎の顔が、今度は徐々に青ざめていく。

「ミキオ……どうしよう?」
「どうしようって……どうしようも出来ないだろ。
 入江くんが自分で選んだ道だし」
「そんな冷たい言い方!見て見ぬふりするの!?」
「だってお前ここがどこだか分かってんの!?
 僕たち中学生にはどうしようもないじゃないか!」
「分かってる!いや、分かってない?
 っいや、分かってる!」
「ッどっちだよ!!」

 広瀬はすでに半泣きになっている双士郎の二の腕を強引に掴んだ。

「帰ろう!
 というか、図書館に行こう!」
「ダメだよっ……入江くんを見捨てるなんて僕、僕っ」

 双士郎は引っ張られまいと力の限り抵抗する。
 一方の広瀬も渾身の力で対抗する。
 が、ひとつ、気になるワードが。

「っ見捨てるって……なんのことだよ……!」
「だってそうじゃないかっ……
 悪いことはいつか絶対、誰かに見つかるんだっ……
 そしたら入江くん、死んじゃうかもしれない――ってわあっ!!」

 双士郎が思いっきり尻餅をついた。
 広瀬が急に、引いていた腕を離したのだ。
 勢いあまって後頭部をも地面に強打しそうになったが、
 とっさに首を折り曲げ、腕を付き、
 結果、流血の惨事を免れていた。

 双士郎は茫然と広瀬を見上げる。
 いったい何の冗談か?

「何するんだよミキオ……」

 何となく声はしぼんで、恐る恐るという体になった。
 そこに悪意がないことを前提として、確かめるように。

「って言うか……こっちがびっくりするだろ。
 何だよその“死んじゃうかもしれない”って。
 どういう発想したらそんな答えが導き出されるんだ」

 心底呆れ返ったと言わんばかりに大きく息が吐き出される。
 広瀬の声音に怒りや蔑みなどの負の感情は一切感じられない。
 まずそのことに安堵して、双士郎は笑みを零す。

「そうだね、うん、唐突でごめん……へへ」
「そこ笑うとこか……!?」
「……違うね?」
「……。ま、いいや。双士郎だもんな」
「え?何?」
「何でも。
 で?
 何で入江くんは殺されちゃってるの?」

 見えない部分に、お前の妄想によって、という一言がくっ付いている。
 回答を迫られた双士郎は、スルーされた呟きを気にしつつも、
 また少し青ざめて答える。
「僕だって信じたくないけど、
 このお店に入ってくの見ちゃったじゃないか。
 いつか警察に捕まるよ。
 お酒と……その……
 キャぱクラブ……だっけ、んと……
 フー……?」

 口ごもる双士郎の頬は今度は少しピンク色だ。
 ころころ変化する顔色を見つめながら、
 広瀬がすかさず、

「風俗。そう言いたいの?」

 さらりと、
 とても双士郎には言えない恥ずかしい単語を口にする。
 とうとう真っ赤になって、とりあえずこくりと頷き返す双士郎を見て、
 広瀬は眉根を寄せた。

「お前……中一のくせに風俗って単語は知ってるんだな?
 それに何“キャパクラブ”ってその全部ひっくるめようとするネーミング。
 ……本当に意味分かって言ってる?」
「うー。って、ていうか、中一のくせにってミキオもでしょ!
 僕は兄ちゃ――」

 ――んが入れ知恵してくるんだ
 と、言い返したかったが止めた。

( 『あのな、大人のお酒を飲む店は
  クネクネしたおねーさんがいっぱいいて楽しいんだぞ。
  でもそのフウゾクってのはな――』 )

 そう、確かにそんなようなことを言っていたのは兄だ。
 続きはよく覚えていない。
 広瀬の言う通り真の意味など半分も理解していなかったが、
 酔っ払った時の兄には
 目の前にいるのが小学生だろうが女性だろうが関係ないらしく、
 もっと色んなすごいことをマシンガンの如く述べていた記憶がある。

 どちらにしろ双士郎にとっては害でしかない。
 兄のことを話題にして結局痛い目を見るのはいつだって自分なのだ。
 結果、ここは広瀬に勝利を献上してでも
 兄殿に登場していただくのは避けるべきである。

「兄ちゃんってさ、あの、
 “今を煌めくプロサッカー選手のASAHI”さんのこと?
 あの人が入れ知恵とかそういうことするの?ウソだ」
「…………っ」

 この友人には超能力でもあるのかとさすがに疑いたくなった。



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