FC2ブログ
 

スポンサーサイト

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
  • Edit
  • TB(-)|
  • CO(-) 
 
 

『Oh!-カウントダウン-#8』

『Oh!-カウントダウン-#8』

Oh!MyBrother-カウントダウン-
【#8】




「あのっ僕たち入江くんのクラスメートで、
 実はここで待ち合わせしてたんですけど、その、
 僕の連絡の仕方が悪くて、入江くん間違って
 このお店の中に入ってしまったみたいで、ええとっ、
 だから、誤解なんです!僕のせいだから、あのっ、
 どうか許して下さい!お願いします!」

 双士郎は両手を固く握りしめて訴えかけた。
 この人なら何とか話が通じそうだと思ったことも後押しした。
 これで入江が無事に出て来られるならもう何でもいい。

 一方、男は双士郎の必死の形相に困惑しつつ、頭を掻く。

「うん、まぁ、よく分かんねーけどさ。
 さっきの死刑がなんたらってやつと関係がある?
 だったらそんな心配しなくていいよ。
 入江くんね、ちょっと待って、今呼んでくるから」

 そう言って身を翻し、店内へ繋がっているであろう
 薄暗い通路へと姿を消した。
 それとほぼ同時にほーっと細い息を吐き出す双士郎を
 広瀬が振り返る。

「下手な嘘つかなくても呼んで来てくれたよあの人」
「え?
 ……何で分かるの?」
「だって、向こうが先に入江ハルフミって名前まで出して、
 知り合いかって訊いてきたから。
 ……あー、でも、悪い感じしない人だったし、
 いかにも善良ぽくて、
 あんまり嘘つけなさそうっていうのもあるかな……」
「そんな分析してたんだ。さすが」
「いや……別に……」

 広瀬が珍しく口ごもる。
 というのも、あまり論理的でない説明に
 なってしまった自覚があったからだ。
 幸い双士郎は気づく気配なく、
 会話の中身はうやむやの内に霧散した。

 しばらくすると男は本当に入江を連れて戻って来た。
 滅多に見せない驚愕の表情を浮かべて二人の前に立つ。

「何、お前ら、え?何でここ分かったの?」

 やはり、これは隠し事だったんだなと極まりが悪くなる。
 どう返そうか悩んでいるうちに、広瀬が先に口を開く。

「図書館に行く途中、
 この路地に入って行く入江くんを見たんだ。
 ここまでは、単なる興味本位。ごめん」
「そ、そう!ごめんね入江くん!」

 簡潔明快な説明に乗っかるようにして、
 双士郎も謝罪を述べる。

 人差し指で頬を掻いていた入江は
 いつもの笑みに戻り、
 見られてたか~、と軽いノリで謝罪を受け流した。

 双士郎もつられて笑ってはみるも、
 気がかりなことが消え去ったわけではない。

「この際、訊きたいことあるなら訊いて。
 遠慮なく」

 視線は双士郎に向けられている。
 どうやら筒抜けだ。
 分かりやすいと言われるのは嫌なのにこの有り様。
 正直かなり、ヘコむ。

「あー、うん。いや、何て言うか、
 何でここにいるのかなって思って……」
「はは。それもそうだ。
 こんな路地、中学生の来るとこじゃないもんな。
 この店だって看板だけ見れば怪しいのなんの」
「何て読むの?キョウ?
 ヒビ……?」
「 “ヒビキ” 。
 ここのオーナーが自分の名前から一文字とったんだ」

 これには例の男が答えた。

 三人の視線が男に集中し、入江が一言、
 そうなの?と呟く。

「そうなんだよ。ありがちだろ。何の逸話も面白味もない」
「……あっ、キョウさんって、この響?」
「うん。本名は知らないけどね。教えてくれないから」
「へー……。
 ところで双士郎、ミッキー」

 唐突に名前を呼ばれ、
 二人はぽかんと開け放していた口を慌てて閉じる。

「言うの遅くなったけど、これ、俺の兄貴」
「ども。俺も一応 “入江くん” です」

 にかっと笑った口元から白い歯が零れた。


→ #7
関連記事
スポンサーサイト
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。